当社は2000年6月、(株)五藤光学研究所と共同で(株)アストロアーツの技術協力および山梨県立科学館の施設提供のもとでリモートテレスコープシステムCATS-IIIを開発しました(※)。これは、(株)五藤光学研究所の製品である「20cmクーデ望遠鏡」「25cmクーデ望遠鏡」「45cm反射望遠鏡」の制御をネットワークを介して行い、遠隔地からでも望遠鏡を操作できる画期的なものです。また、このシステムにはオンデマンド観測機能が備わっており、あらかじめ観測要求を提出しておけば後日観測結果を受け取ることができるようになっています。
このシステムを使うことによって、例えばプラネタリウムドーム内から望遠鏡を操作し、リアルタイムの映像をドームスクリーン上に投影するような演出を可能にしたり、科学館から離れた学校から望遠鏡を操作し、画像を受信することにより遠隔授業のツールとして利用することができるようになりました。
このシステムはCATS-iとして(株)五藤光学研究所により製品化され、加須未来館(埼玉県加須市)、大阪教育大学(大阪府天王寺区)、科学技術館(東京都千代田区)に納入され運用されています。
※この開発は通信・放送機構(現/独立行政法人情報通信研究機構)の山梨県都市コミュニティー研究成果展開事業のもとで実施されました
※参考URI:山梨県都市コミュニティ研究成果展開事業 成果発表資料
しかし、その後のIT技術の発展とネットワーク環境の劇的な進歩により、いわゆるオンライン天文台に要求されるレベルもますます高くなってきました。主なものに以下の点が挙げられます。
これらの条件を満たすため、当社は最近注目されているグリッド・コンピューティング技術を応用し、「誰でも」「どこからでも」「いつでも」利用可能なシステムを提案しています。ここでは“天文台グリッド(Observatory Grid)”を構築することにより、世界各地の参加天文台の望遠鏡(ビデオカメラやCCDカメラ=デバイス)、撮影された映像や画像(MPEGやFITS=データ)、撮影情報や観測データ(データ)、画像処理(コンピューティング)、データアーカイブ(ストレージ)を相互にやりとりし、研究者や教育者が自由にアクセスし、結果を公開できるシステムの構築を目指します。
○グリッド
グリッドとは従来のWWW等によるデータ共有に加えて、計算機資源(データ保存領域=ストレージ、計算能力=CPU時間など)を共有する技術。グリッドを一つの巨大な仮想コンピュータと考えることができる。その結果、飛躍的な計算能力の向上、巨大なデータの保管、情報の自由な交換ができるようになる。天文台グリッドでは望遠鏡(ビデオカメラやCCDカメラ)を目(=センサー)と考え、グリッド上のストレージに保管された多くのデータにアクセスし、画像処理等を施して自由に利用きるようにする。また、天候や地理的条件に左右されにくい柔軟な観測計画を作ることもできる。
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